天洋食品製餃子事件の回収損害補償について

今回発生した輸入食品による中毒事件について、原因究明が関係機関によって行われているところ
ですが、化学物質による中毒は原因究明が困難なこともあり、今のところその結果が出ておりません。
また、現在、道内で健康被害の届出者66人にも上がっていることから、依然として消費者の不安が
募るばかりの状態になっております。
また、現在の検査の対象がメタミドホスに限っており、他の毒物や微生物の検査が行われていませんので引き続き警戒を要することとなっております。
今回の事件を契機に、最近活発になっている食品の輸入、輸出に関する補償問題を今回の事件に沿って北海道食品産業協議会の補償制度について、どのように適用されるかについて解説し(別添資料)
お知らせします。

 
【食産協二ユースレタ~ NO.2 2008.2】
天洋食品製餃子事件の回収損害補償について
-輸入・輸出食品の事故に対する補償-
天洋文品冷凍餃子の有機リン系農薬混入事件で、同工場製品を輸入した食品企業では同工場製品
全ての回収が行われています。今回の場合、輸入企業にどのような補償責任が生じるのか、
輸入企業か被る損害がどのようにカバーされるか 、関心のあるところです。
事件の全容はまだはっきりしていませんが、最近活発になっている食品の輸入・輸出に関する事故の
補償問題を今回の事件に沿ってまとめました。北海道食品産業協議会の補償制度
(製品回収保険 引き受け保険会社AIU保険)を例にとり今回の事故に対してとのように適用されるかを
解説します。
 
◎ 斡入食品の事故に対する補償責任:
製造物責任法の規定により、今回のケースでは輸入企業が製品の回収・被害者者への賠償責任を
負う事になります。

◎ 回収費用の支払い対象となる製品の範囲 :
事故原因により大体下記の表の通りに分かれます。但し、事故原因が確定していないため、
大まかな分類として理解してください。保険による実際の補償は、詳しい原因調査の上行われます。

◎ 回収費用の補償範囲の判断基準 :
原則として、今回の事故による汚染、混入の可能性のある全製品です。
従って、混入の確認されていない製品の回収費用もその原因によっては、
保険での補憤が可能になる場合があります。
事故の原因
原因発生場所
保険で補償される製品の回収範囲
意図的な混入(犯罪)
中国国内
輸入された天洋食品製品但し、生産日、
中国側での滞留期間、輸出日、
輸入日等で
除外できる日や製品が確定できれ
ば、
それらも除く。
同上
日本国内
混入が発見された製品を輸入した
企業取り扱いの天洋食品製品但し、
複数の輸入業者、輸入港、輸入日、小売業者、製品の種類等で明らかに除外できる分が
あればそれらを除く
工場・倉庫内で
使用された
農薬による汚染
天洋食品敷地内
輸入された天洋食品製品但し、当該農薬の
使用日、製品の種類、輸出日、輸入日等で
除外できる日や製品が確定できれば、
それらも除く。
 
事故の原因
原因発生場所
保険で補償される製品の回収範囲
原料由来の混入
中国
その原料を使用した製品
(天洋食品以外も可)
但し、当該原材料の使用日、製品の種類、
輸出日、輸入日等で除外できる品目、
日付が定できれば、それらを除く。
パッケージ・トレイ由来
同パッケージ等を利用した製品但し、
当該原材料の使用日、製品の種類、輸出日、
輸入日等で除外できる品目、
日付が定できれば、それらを除く。
◎輸出され製品の海外からの製品回収:
本補償制度を含め、製品回収保険は通常国内の回収のみ対象です。海外での商品回収補償に
ついては、別途補償範囲を広ける必要があります。詳しくは、下記までお問合せ下さい。

製品が知らないうちに海外に
― 卸・商社がメーカーに通告せず製品を輸出 ―
輸出製品は、製品回収だけでなくPL対応も必要です。
令回の事例でも問題となった餃子が一部米国に再輸出された可能性が報じられています。
食品流通はクローバル化してあり、自社製品が商社や大規模小売店の海外店舗を通じて
知らないうちに国外まで流通する状況を生みだしています。
海外手順


海外での控訴対応重要性 (海外PL対応)
-輸出された製品で食中毒等の事故が起こった場合-
自社で輸出を意図していなかった場合でも、多くの国では食品製造企業の製造物責任が問われます。
結果として、海外で控訴が起こされ、ある日突然外国語の訴状が国際郵便で送られてくるということが
起こります。この種の問題の注意点、対応は以下の通りです。
1,訴訟を放置すると敗訴確定 :
日本を含めほとんどの国では、訴えを放置すると原告の主張がそのまま認められ敗訴が確定
してしまいます。訴状に示された一定の期間内での対応が必要になります。

2,日本の裁判所が海外での判決を代理執行 :
海外で敗訴が確定すると、日本の裁判所が改めて執行について審理した後、国内で
賠償金支払い命令、強制執行などの手続きが行われます (民事訴訟法等に規定)。
つまり、海外での責任が国内で問われることになります。

3,海外での訴訟対応と海外PL保険 :
通常のPL保険は国内のみを対象としており、海外の被害者への賠償に使うことができません。
このため海外輸出がある場合には別途あらかじめ海外向けPL保険に加入しておく必要があります。
さらに、海外での裁判に対応する必要があります。
訴訟対応サーヒス:海外PL保険は、通常主に訴訟費用・賠償損害しか補償されませんが、
海外PL保険の中には、海外での訴訟対応サーヒスが追加付帯された商品
(引き受け保険会社が、海外での訴訟対応をサポートしてくれる)もあります。
詳しくは、下記までお問い合わせ下さい。
社団法人 北海道食品産業協議会
問い合わせ先 : 株式会社 北海道リスクマネジメント
〒060-0052 北海道札幌市中央区南2条東2丁目大都ピル6F
TEL011-210-6921 FAX011-210-7720
Eメール:tkshimada@riskhrm.co.jp